8月11日後半 佐渡・小木 Sado / Ogi

佐渡・小木
小木 『男はつらいよ』の山本屋食堂食事にありつけず、とぼとぼとフェリー乗り場に向かう途中に、お土産や食堂の看板が目に入った。 一階が色あせた土産物を並べる売店で、2階が食堂。 まだ、食事が出来ると言うことで、2階へ上がる。 寅さんの『男はつらいよ』のロケ地だったというのは後で知ったが、この山本屋食堂、完全に昭和にタイムスリップ。 蟻んこが這う畳みに年代物の扇風機。テレビ台と化した旧型テレビの上に、フラットじゃないすでに旧型テレビ。テーブルと椅子の席もあるが、この椅子も幼少の頃が懐かしいレトロだ。ガラガラなのに、忙しそうな年配のスタッフら。とりあえず生、もちょうど樽を入れ替えなくては行けなくて、と15分くらい待ったような気がする。

小木 『男はつらいよ』の山本屋食堂


フェリーまで時間はたっぷりあるし、急いではないけど、そんな具合なので、ちょっと心配で手伝いたくなるくらいだ。注文したのは豚カツ定食と刺身定食。佐渡の定食にはいつももずくがついてくる。テーブル席に家族連れがやって来て、やはり私と同じノスタルジックな印象を語っていた。注文したコーラーの瓶にちょっと感動していたり。

小木 『男はつらいよ』の山本屋食堂


まだ時間があるので、フェリー乗り場でお買い物。佐渡するめという字に触発されて、するめを買った。

佐渡するめの宣伝ではなく交通安全
佐渡するめの宣伝ではなく交通安全


帰路のフェリーもゴングで出発の合図。さよなら、佐渡。カモメの為に昨日のかっぱえびせんを残しておいたので、船が出ると、早速試してみる。すごいスピードで飛び舞うカモメ達が、エンリックの手からかっぱえびせんを攫って行った。家族連れも甲板に出て来て、かっぱえびせん攻撃。見ていると、子供一人に対してかっぱえびせん一袋で海に向かって投げていて、これはちょっとやりすぎか、と。かっぱえびせんを粗末にしてはいけません!

佐渡汽船カーフェリーからカモメ


今日の夕日もやはり線香花火状態で海に落ちる瞬間は見えなかった。尖閣湾のクルーズ同様、帰路の船は結構揺れて気持ちが悪い。その上、すこしばかり遅れての到着だ。行きには直江津駅から直江津港まで1時間あったのに、帰りは30分しかない。前日、母に電話して時刻表を見てもらったら、次の電車は特急で2時間後とか。というわけで、どーしても乗りたいので、特急運賃を考えれば港からタクシーでも変わらないかな、とタクシーに乗るつもりだったが、到着すると一台もタクシーはない!

腕時計を見ながら、2時間待ちかと歩き出すが、途中でタクシーを止めれないかと希望を捨てずに歩いていると、走って私達を追い抜く男性。きっと目指すは駅だ。その瞬間から、私達も走れば間に合うと走り出すことに。歩くのは得意になって来たが、走ることなんて滅多にないし、フル装備だぞ、おい。それでも、間に合うかもと、そこからはドタバタと腕時計を見ながら、それなりに走る。あ〜フェリーで喫煙控えれば良かった、などとつまらないことを考えながら、刻々と迫る時間、やればできそう精神でひたすら頑張るのみ。そうだ、切符も買ってないから、3分前には着かなきゃ〜。と、旅の最後の最後に試練が待っていたと言う訳だ。めでたく駅には5分前に到着し、切符も購入。ちなみに、電車は出発が遅れていると言うことで、余裕綽々。

水を買おうとエンリックがポケットから出した千円札はぐしょぐしょに濡れて自販機を通らなかった。そう、私達は全身、汗びっしょりで完走したのだ。ちなみに、フェリーに乗る前にさっぱりと帰路に着きたいと、着替えたエンリックだが、残念でした。後は、冷房の効いた1時間半の普通電車の寒さに耐えるのみだ。



最後まで予期せぬ冒険、そして完走。大自然とレトロでノスタルジックな佐渡の旅は達成感と共に無事に終わった。

山本屋食堂

佐渡市小木町63-1
0259-86-2401
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