カルネルの森 Forêt de Carnelle

カルネルの森の巨石記念物のピエール・テュルケーズモンモレンシーリスル=アダムの森と共にヴァル=ドワーズ県の3大森林を誇るカルネルは975ヘクタールに渡る森。 残丘に位置するこの森は、北はオワーズの谷、西はリスル=アダムの森との境界を形成するリュ・ド・プレルの谷に囲まれ、最高地点は210mと起伏に富んでいる。 ケルト語で石を表すcarnから名付けられたカルネルの森は、その名の通り石灰質の岩から成り、嘗ては採石場があったという。

プレル・クルセル駅
プレル・クルセル駅
今回はヴァル=ドワーズのトポ=ギッドのPR16を森の西のプレル・クルセル駅を出発、東のベロイ・サン・マルタン駅を到着点にアレンジ。出発の朝は、グレーの雲に覆われた空から小雨が見られたが、予報では午後からは回復の予定。念のため、ポンチョもリュックに忍ばせ、小雨の北駅を出発。電車に揺られること40分。すでにお馴染みとなった駅を駅を超え、緑が開けてくる頃には所々に青空が見え隠れしてきた。

プレル・クルセルの無人駅に降り立ち、電車で来た道を戻るように、線路沿いの道路を森に向かって歩く。ここはパリ近郊を一周するGR1。ロングトレイルを形成するには車道も使わないと長距離を結べないと言う訳で、ここもそういった車道の脇を歩くGRだ。左手には鴨と水草で覆われた緑の沼、そしてお城が見えるクルセル公園を横目に通り過ぎると、森への小道に入る。住宅街を抜け、森への道は緩やかな登りが続く。

クルセルの沼クルセルの公園


カルネルの森の目玉は巨石記念物のピエール・テュルケーズ Pierre Turquaise。全長12mある巨石群は紀元前2000年のドルメンだとか。その後、各々の時代で隠れ家などとして利用されたが、現在はほぼ原形に復元。

巨石記念物のピエール・テュルケーズ
巨石記念物のピエール・テュルケーズ Pierre Turquaise


9月と言うことで、エンリックは出発前からキノコ狩りに張り切る。インターネットで調べて、デッサンしたメモ書きを片手に、草むらをかき分ける為の木の棒を現地調達。今日の森もナメクジが多い。そんな雨上がりの湿気のある森だから、キノコもたくさん見られる。とはいえ、キノコって有毒なものもあるんだから、大丈夫なのかな〜?そんなナメクジがキノコを食べてました。つまり、これは食用?

ナメクジが食べているから食用キノコ?
ナメクジが食べているから食用キノコ?


栗も大分実って来ており、パーキングで栗狩りをしているご夫婦に会う。そこで、採取したキノコのサンプルを見てもらい、食べれる食べれないと、選り分け。というわけで、その後は食べれると言われたのと、同じキノコを採れば良いと言う訳だ。

おいしそうだけど毒キノコ
おいしそうだけど毒キノコ


キノコ狩りをしていると、全然前に進まない。今日のお昼は、この森の人工池。行程の1/4の位置なので、とりあえず、そこまでスピードアップして進むことに。森の中では、時々、溜まった雨水が落ちる音か、降り続く雨か。とはいえ、木々に守られ、雫も受けることなく、ポンチョも不要で、空は快晴に向かう。

石切り場だった場所に作られた池が2つ、ラック・ブルー Lac bleuとプチ・エタンpetit étang。深さは最高30mあるため、水遊びは禁止されているが、釣りを楽しむ人がいた。ブルーと言うには、周りの緑を反映してか、緑の池だったけど、日本語で言う青信号の青を思えば、これも青!?今朝の雨のせいか、人気も少なく、常設のピクニック用のテーブルでお昼とする。

カルネルの森のラック・ブルー Lac bleuカルネルの森のプチ・エタンpetit étang


ランチの後は、この池からGR1を離れ、西にぐるっと森を回るPR16を辿る予定だったが、キノコ狩りで時間が大分経過してしまったため、北に抜けるGR1をこのまま辿り、PR16に合流と言う近道をすることにした。これで3kmくらい稼げる。

ノロジカを始め、イノシシ、アカシカが見られると言うことで、人気も少ないし、出逢いがあるかと楽しみにしていたが、今回は動物との出逢いはなし。もしかすると、行かなかった遠回りのPRにいたのかも、という気もするけど…。今日見たのは、蝶と蜘蛛。ランドネをしていて、先頭を切ると蜘蛛の巣を浴びることが難。ここもそうで、立派な蜘蛛の巣が大スケールで展開されていた。

蜘蛛の巣カルネルの森


午後からは人手が出て来て、犬の散歩や乗馬、若者グループにすれ違う。ヤング達はIGNのマップを片手に湖を目指すと言う。マップを持った女子は真剣に道を確認している。私はA4の自家製ロードブック派なので、毎回、作成時にトレイルを蛍光ペンでなぞり、近道や遠回りも事前チェック。大きい地図は迷った時等には便利だろうけど、広げるのに時間が掛かるし、見るのが大変なのだ。

PRに入ると、森を大きくぐるっと廻る道なので、迷うこともなく、バリザージュに従うのみ。また、地図にも掲載されている狩猟用の区間番号もあるので、位置確認が簡単にできる。

今日はエンリックはキノコ狩りに夢中なので、私はミュールMûre(ブラックベリー)狩りをすることに。木に刺があるので、夢中になって採っていると、手は真っ黒な上に、傷だらけ。

カルネルの森のブラックベリーカルネルの森の蝶


森の北東部は淡々と歩くだけだったけど、天候のせいか、南部より乾燥した感じ。目的地のサン=マルタン=デュ=テルトルの村まではひたすら登る。今日は全体的に登ってばかりだったような気がするけど、気のせい?

サン=マルタン=デュ=テルトル グエの塔サン=マルタン=デュ=テルトル


村に出て、観光局となったグエの塔 Tour de guetの前で、おやつ休憩。村に着いたから、終わりだと思ったんだけど、実はここからもランドネは駅まで続くのだった。のんびりしちゃったので、重い足取りで、住宅街の小道を下ると、農地のパノラマが広がる。林を抜け、嘗ての洗濯場を通り、トウモロコシ畑の脇には、またミュール。一生懸命採ったので、ジャムが作れそう。今朝とは打って変わった青空にグリーンのコントラストを堪能し、ベロイ・サン・マルタン駅へ。電車は一時間に一本で、駅前には何もないので、電車の時間を事前にチェック要。

サン=マルタン=デュ=テルトルから駅への道


結局、いろいろ採ったキノコだけど、帰宅してネットで確認したら、クルメルcoulemelle以外は不安が残るキノコばかりだったので、クルメルとスーパーで買ったマッシュルームで夕食はキノコパスタ。お味はというと、一個のクルメルじゃ、マッシュルームの味に押されてあまり味が分からなかった、という始末。ま、こうやってキノコも勉強して、またキノコ狩りを楽しみたいです。

カルネルの森 Forêt de Carnelle PR16

出発点 : プレル・クルセルPresles Courcelles駅(SNCF・H線)
出発点 : ベロイ・サン・マルタンGare de Belloy St Martin駅(SNCF・H線)
距離 : 18 km


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