サヴィニー=ル=タンプル一周 Boucle de Savigny-le-Temple

サヴィニー=ル=タンプル一周
寒くなって雨が多いこと、ストが続きパリ郊外への電車が少ないことなどが重なって、出不精になっていた今日この頃。 せっかくの万聖節の連休だと言うのに、天気予報は雨。 且つ、日曜から冬時間になった為、日の入りも一時間早まった。

フランスの天気予報と言うのはあたる確率が低い。連休雨模様と言う予報も、まんまとはずれ、結局日曜は良い天気に。日曜の朝の曇り空に断念したランドネを、翌日の祝日に決行することにした。

先月、新しくトポ=ギッドを購入した。フォンテーヌブローの森に行きたかったので、セーヌ=エ=マルヌ地域のガイドでその名も『駅から駅へ』という、マイカーのない私達にぴったりのもの。今年の3月に発行された最新版で、地図もカラーで、写真やイラストも多く、見やすく素敵なガイドとなっている。

今回のトレイルはストの影響で本数の少ないSNCFの電車は不安なので、パリ郊外線RERを利用できると言う点から『サヴィニー=ル=タンプル一周』をチョイス。サヴィニー=ル=タンプル=ナンディ駅を出発し、ルジョーの森 Forêt régionale de Rougeauをぐるりと廻ると言うトレイルだ。本誌の大半のコースは駅を繋ぐと言うことから、トレイルは平均して20kmはあり、且つ駅までの道のりを通常のトレイルにプラスしたと言う感じで、GRやPRが入り交じっている。このコースも同様、PRに始まり、GR、GRPと3種のトレイルを繋いだものだ。トポ=ギッドを読んでおかないと、うかうか違う方面に行ってしまいそうになる。


出発及び到着点となるサヴィニー=ル=タンプル=ナンディ駅は近代的な駅。駅前にはスーパーもあり、近代住宅が建ち並ぶ。何もないところに駅ができて、それを囲んで住宅街ができたと言うことかと。スーパーG20の前を通り、橋を渡り、公園を抜けて森へとトレイルは続く。ナンディの村では左手に馬小屋や小さな堀を抱えたお城、村の中心部は古い民家が見られ、駅前とは異なる雰囲気。

森に直進すると、セーヌ川にぶちあたる。このトレイルの醍醐味となる、セーヌ川の谷のパノラマが木々の間から見られる。夏だと、木が生い茂って、また異なった景かもしれないが、今日は最終的に青空に見舞われ、紅葉の木々が黄色やオレンジ色の無数の塊となって、視界を覆う。乾いた枯れ葉のオレンジ色の絨毯をカサカサと踏みしめ、輝くセーヌ川の水面や低い太陽の光を逆光に捉えた秋の色々の変化を堪能。水野晴郎氏ではないですが、「いや〜、ランドネって本当にいいもんですね」と。

セーヌ川を見下ろすパノラマ


セーヌ川沿いにはプール付きの邸宅、そしてトレイルにも邸宅が出現して迂回する形になる。マイホームを持たない私達は、いつも所狭しと立ち並ぶ駅前近代庶民住宅街を見て、こういうところには住みたくない。そして、絶景の邸宅街を見て、家を買うなら、プールまで入らないけど、こういうとこ、なんて夢を膨らますんですけど、実際問題、交通の便や予算からいうと夢はあくまでも夢なんでしょう。

石切り場
小道を抜けると、石切り場に。建造物の為の石灰石が採石されていたそう。そして、また森へと。人気がない森は、秋の香り。きっと、キノコもまだある、とトレイルを外れると、あります、あります。でも、食べられそうにないキノコ。

よくあることだけど、地図にお城とあるので、カメラを構えて楽しみにしていたら、個人所有で何も見えないとか、入っちゃ行けないとか。ここのロッシュ城 Chateau des Rochesは児童センターになっているようで、防犯カメラも入口にあり、写真と言う雰囲気ではありません。あと、よくあるファームというのもくせ者で、跡地だったり、パーティー会場だったりと、現地直産の生産物が購入できる農場とは限らない。

紅葉のルジョーの森 紅葉のルジョーの森


トレイル半分を超えると、後は平坦な森の道がほぼ占める。個人的には、こういう道が一番苦痛だ。先が見えていて、ただただ歩かなくては行けない、という感じ。そういうときは、やはりトレイルを外れて、キノコでも見るべき、かと。

ルジョーの森の栗 ルジョーの森の栗


季節柄、キノコより栗が豊富に落ちていた。散歩の犬は痛いだろうと言う感じの、栗のイガの絨毯を歩く感じ。栗は個人的に興味がないが、クリスマスは七面鳥に栗だ、とエンリックが言うし、あまりにゴロゴロと落ちていたので、少し拾ってみた。これって、茹でる?フライパンでそのまま焼いてみる?自分で拾った栗だったら、食べれるかも!?

おそらく、もう13時は過ぎてるだろう。お腹がすいて、体温が下がって来てるし、そろそろご飯にしようよ、というときにピクニックポイントというものはないものだ。ご飯の前にトレイルの半分は終える、というエンリックのプランで、もう2/3は歩いたかと。森をでた、農地の岩に腰掛け、やっとランチだ。農地の向こうの水平線に並ぶ、紅葉のラインを魚に、ゆで卵とツナサンドを食べる。青空と言うものの、座ってご飯を食べていると、寒くなってくる。魔法瓶でホットドリンクがあったら、という季節だ。ところで、どこで魔法瓶って買えるんだろう?と考えながら昼食をとる。

貯水塔大きな貯水塔があるこの農道には、ジャガイモ農家がある。直販を行っているが、日曜は休業と言う看板で、月曜の祝日も同様、閉まっていた。勿論、芋10kgとか言われても、厳しいけど、ちと気になった。芋屋の前には、黒猫。今朝の駅からの森への最初の橋でも、以前飼っていた虎猫、五郎に似た猫に出逢ったが、この小さい黒猫も以前飼っていたイカに似ているではないか。この後、出逢う、虎に白い靴下の猫は、現在同居しているサブにそっくりだし、今日は猫の日。とはいえ、私が飼っていた猫は、つまりフランスのどこにでもいるスタンダードな猫ってことか。

ジャガイモ農家の黒猫 ジャガイモ農家


この後の森の道は、午後と言うこともあるが、散歩する人々で賑わうトレイルとなる。実は、今回、トレイルを逆行した。トポ=ギッドでは各分岐点のポイントを文章で押さえてある訳だが、逆行した為に、ちょっと複雑になった訳だ。というのも、出発点近くに収穫農場があり、最初に行っては荷物も増えるし、疲れるだろうということで、こうなったのだ。

サヴィニーの収穫農場のカボチャ
住宅街を北上した、サヴィニーの収穫農場Cueillette de Servignyは、シーズンオフと言うこともあり、閑散としていた。収穫をする気力もなかったし、日没も近づいていたので、ブティックで買い物を、と思ったが、ヴィルタン収穫農園に比べるとブティックは農場入口の会計のとなりにリンゴ、梨、チーズ、卵程度が並ぶのみ。ぐるっと農場の柵を廻って、せっかくここまで来たのだから、と卵と梨を購入。その他は、ハロウィーンということもあり、カボチャが豊富にあった。

日没の時間に焦りながら、トレイルへ復帰し、駅へと急ぐ。大分薄暗くなって来て、バリザージュも見えにくいが、住宅街に入って来たので、後は駅への看板に従うという帰路に。到着したのは、18時だったけど、もう真っ暗。やはり、これからは出発時間を早めて、17時には到着するように計画しなければならないようだ。

ちなみに、駅前スーパーの横にあったパキスタン系の食材店で500mlの冷えたビールを買ったら2.40ユーロだと。パリだったら、一本でその値段なので、間違えではないかとびっくり!


サヴィニー=ル=タンプル一周 Boucle de Savigny-le-Temple

Randonnées en Seine-et-Marne de gare en gare : PR®25
距離 : 21km
所要時間 : 5時間15分
高低差 : 100m
出発点・到着点 : Savigny-le-Temple-Nandy駅(RER B)

サヴィニー収穫農場 Cueillette de Servigny

http://www.cueillettedeservigny.fr/



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