ケイラ三日目:ヴュウ峠 col Vieux - フォレオン湖 Lac Foreant

ヴュウ峠 col Vieux
アグネルの峠の朝
今朝も早起き。高台から、下の野営地を見下ろすと未だ寝静まってるようだ。 日が当たって居る場所と影のコントラスト。 朝食をとり、テントを片付けていると、下の仲間もやっと動き出した模様。

7:30に出発し、ヴュウ峠(2806m)を登る。いきなりの上り坂だが、今朝は良い感じ。下の野営地から来た若いカップルと一緒になる。少し上がると湿原が見られ、平地がある。ここも次回の野営地として要チェック!

ヴュウ峠 col Vieux

上り坂とはいえ、まだ、日が当たらないので、寒い。マーモットも日向で暖をとっている。

マーモット


ヴュウ峠 col Vieux
ヴュウ峠は標準タイム40分だったが、あっという間に到着で、8:00。頂上でカップルと再会し、記念写真を撮り合った。お互い、ツーショットを撮る機会が少ないので、嬉しい。彼らはサン・ナザールから来て、おとといサン=ヴェランから出発したとのこと。その後の行程は、私達と全く同じだ。そういえば、昨日、山小屋で見かけたのを思い出した。私と同じトレッキングブーツを履いていたので、気になったのだ。このヴュウ峠から、往復2時間半でパン・ドゥ・シュークル Pain de sucre(3208m)に登れるのだが、彼は昨日の午後、ザックを彼女に預けて、登って来たとのこと。やはり、ザックなしだと足取りが全然楽だ、と。パン・ドゥ・シュークルはオプションで考えていたけど、道と言う道もないらしいし、先は長いので私達はパス。

ヴュウ峠 col Vieux

フォレオン湖 Lac Foreant
ヴュウ峠の反対斜面にはフォレオン湖Lac Foreant(2618m)が見下ろせる。今日はこれから長い長い下山だ。フォレオン湖でも野営しているグループがいた。ここも候補地だったけど、行程の距離的に難しいかなとあきらめていた。しかし、湖の周りは保護区域で囲われている。
ランザのサラマンダーSalamandre de Lanzaという黒いトカゲがいて、保護されいるのだ。雌は2度しか産卵しないので、生息が少なく、ランドヌールによって、踏みつぶされるのを避ける為に、保護区域が設置されているのだ。果たして、保護区域で野営している人たちは、そういうことを知らないのであろうか?

フォレオン湖 Lac Foreant


ケイラは水が豊富だ。湖、川、噴水とランドヌールを潤す水場がたくさんある。まだ日の当たらないフォレオン湖で、小休憩。サン・ナザール・カップルも近くに陣を取り、コンロでお湯を沸かしだした。これから朝食のようだ。そうだよね。私達より遅く起きて、出発が一緒だったもんね。

さらに下るとエゴルジェウ湖 lac Egorgéou(2394m)。こっちでも野営者あり。

エゴルジェウ湖 lac Egorgéou(2394m)

途中、羊飼いの小屋らしきものを発見。

羊飼いの小屋らしきものを発見


朝の寒い時間に太陽は気持ちいいが、寒いからと言って、日焼け止めを塗らなかったり、帽子をかぶらないと、額や鼻の皮がぼろぼろ剥けるエンリックの刑になる。今更遅いけど、ひどくならないようにクリームを塗る。

エゴルジェウ湖 lac Egorgéou(2394m)


長時間の登りはハードだけど、長時間の下りもハード。気を抜くと、転びそうになるし。それでも、私は下りの方が余裕があり、やっと写真を撮れるようになった。登りが続くと、カメラを構える余裕もないよね、やっぱ。

GR58 tour de queyras GR58 tour de queyras


反対斜面から登ってくる人たちとすれ違うようになった。ザックの大きさから、山小屋ツアーのようだ。グループの最後尾に遅れて登る年配の女性。荷物は軽いとはいえ、かなりキツそう。

パトゥー犬
ヴェルコールで習ったけど会えなかった動物の一つはマーモット。そして、パトゥー犬。パトゥー犬は羊を率いる羊飼い犬だ。先頭を切って、羊の群れを導いている。女性の羊飼いが白黒のコリー犬、2匹と遠巻きに歩いている。コリー犬が走り回って、道を切り開いて、その後をパトゥー犬が群れを引き連れる感じ。最後尾の離れたところに黒く汚れた小さな羊がビッコを惹きながら、一生懸命、群れに着いて行こうとしている。見ていて、可哀想になったが、自然の法則で淘汰されてしまうのか…。昨日のシャムシエール峠の私みたい…。

GR58 羊の群れとパトゥー犬
すれ違いの老夫婦が2、3日前にニュースで500頭の羊の群れが行方不明になった、というのを見たと言う。ヘリコプターで捜索されたが、15頭の残骸が見つかったのみ、だとうか。いるんです、ケイラには狼が。勿論、出逢いませんでしたけど。

下りの後半、グループの最後尾の年配の女性はあそこ迄登っただけ、すごいよね、と。もう、下りに嫌気がするくらいにエンドレスな下り。
ところが、下りると下りるだけすれ違う人が増え、子供連れ、ハスキー犬、そしてヨークシャー犬まで登ってくるではないですか。どこまで登るんだろう〜?

GR58 Tour du queyras
エンリックはいつも痛くなる右膝が3時間の下りで痛みだす。そこまでは絶好調だったのに、もう歩けない、と。さらに、足場の悪いところで、滑って転ぶ…。怪我はなかったけど、明日からの行程は中止、だと。今夜からはキャンプ場なので、キャンプ場に連泊して、継続してはどうかというのが私の案。帰路は平地から戻ってくるか、シャトルバスも運行しているし。荷物がなくて、テントの設営がないというのは、どんなに楽なことか、と。ま、明日、また考えましょう。

長い下りを終えて、レシャップ L'Echapeの集落に着いたのは13:00近く。平均タイムを大幅に超えたが、けが人だからしょうがない。やっと、下山してホッとしたところに、真新しいトレッキングシューズの若いカップルに会う。湖に行く、と云うので、結構遠いよ、と答える。なんと、レシャップの観光局では手軽な2時間半の散歩コースとしてエゴルジェウ湖までのトレイルを案内しているのだ。えー、こちらから登ってないから何とも言えないけど、手軽なコースではないよ!ま、行けるところまで行って引き返すのがいいよ、とアドバイス。

GR58 レシャップ L'Echape


川沿いの木陰で一休みしていると、カメラマン父ちゃん達が下山して来た。私達より出発したのは遅かったけど、着実なペースで下りて来た感じだ。同じ、キャンプ場に行くと言うので、では、後で、と挨拶を交わした。

キャンプ場のある集落、ラ・モンタ La Montaに着いたが、キャンプ場の表記はなし。記憶では向こう岸だ、と橋を渡るが、同じくキャンプ場を探す少年が、反対岸を500mだそうだ、と戻って来たので、引き返えす。橋の上で、独走少年に会い、キャンプ場はあっちらしい、と教えてあげたが、多分2人で14ユーロだったはず、というとお金がないから、野営できる地を探している、という。エンリックが払ってあげようかな、と言う。全くお金がないわけではなく、そういう予算でランドネやってるんだから、別に気にする必要ないよ、と。なんでエンリックは貧乏のくせに、すぐに人にお金を上げようとするのか…。

しかし、川沿いを歩くが、キャンプ場は見えず、挙げ句に反対岸にキャンプ場を発見。さらに、カメラマン父ちゃん達はすでに設営済みじゃないか〜!引き返そう、というけど、もう少し行けば、きっと橋がある、というエンリック。しばらくして、キャンプ場の入口を過ぎたところで、橋を発見!こうして13:30に無事にキャンプ場に到着した。
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