ケイラ一日目:シャトー=ケイラ Château-Queyras

シャトー=ケイラ Château-Queyras
ケイラ縦走のGR58の出発点はセイヤック Ceillac(1639m)だ。ところが、初日から6時間の行程で、1000mの高低差があるエストロンク峠 col des Estronques(2651m)を超えるのはかなりハードではないか、とルート外のシャトー=ケイラ Château-Queyrasから歩くことにした。

パリのオステルリッツ駅からリクライニングシートの夜行で出発し、ちょうど隣に居たのは新学期から日本語の大学に通うと言うカロリーヌ。教科書を出して勉強していたので、エンリックが仲良くなって、ずっとおしゃべりしていた。私も職場で学んだ、日本語の『私は』と『私が』の違いなどをちょっと得意になって説明してみたり。列車はほぼ満員。同じGR58を山小屋に宿泊するツアーで歩くと言う単独のパリジェンヌを始め、ランドネールらしき人たちが一杯。

モン=ドーファン Mont-Dauphinからバスに揺られること30分。10ユーロだと言われたら、高いと文句を言うパリジャン(?)も。運転手曰く、県が補助を出していて、それでも採算が合わないバスだとか。それもそのはず、ハイシーズンなのに乗客は10人に満たない。一日に4本くらいしかなくて、パリからの電車に併せて定期便があるが、それ以外は予約をしないと運行しない。それでも山の崖っぷちをジグザグに登って行くバスに乗りながら、10ユーロは高くないと思った。だって、これ歩いたら3日はかかりそう〜。駅で、エンリックと同じザックの男性を見て気になったが、彼は正統派でセイヤック行きのバスに乗り込んだ。セイヤックへは別路線で、少し運賃も安い。もしかして、今日の目的地のサン=ヴェラン Saint-Véranでまた出逢うかもしれない。

シャトー=ケイラ chateau-queyras


シャトー=ケイラに到着し、お城の前で下車。バスは乗り換えで私達が目指すサン=ヴェランにも行ける。ツアーのパリジェンヌはサン=ヴェラン迄行って、ツアー開始の日曜迄のんびりするらしい。私がシャトー=ケイラに寄りたかったのは、ヴォーバン式要塞があるからだ。駅からしか見ていないが、モン=ドーファンにも、そして最終日に訪ねるブリアンソンにもこのヴォーバン式要塞が見られる。

バスの停車場には飲料水を供給し、洗濯場でもあった噴水がある。この噴水はケイラでは各地に見られ、私達ランドヌールを癒してくれるのだ。更に結構綺麗なトイレも併設。

シャトー=ケイラの噴水 シャトー=ケイラ chateau-queyras


シャトー=ケイラ chateau-queyras
もちろん、お城を訪ねる余裕などなく、村を下る。建物に日照時計が見られるのもこの地域特有だ。ギル川を渡り、緩やかな良い感じの登り。ドン・ドゥ・ラティエ縦走Tour de la Dent de RatierというGRPがあり、それに合流しようと言う予定。だったが、途中に通行止め!歩きだったら行けるのかも、と迷ったが、赤と白の縞縞テープはかなりヤバそう、というわけで、隣の村、ヴィル=ヴィエイユ Ville-vieilleまでいって、GRPに入ることに。この時点で、すでにちょい切れのエンリック。ヴィル=ヴィエイユの民家の人に声をかけてみると、道を教えてくれた。エンリックがこの地域の人たちはいい人ばかりだ、なんて言ったら、私もパリじゃんよ、と。村の人口半分以上がバカンス客なのかもしれない、と思う。

シャトー=ケイラ chateau-queyras


そこからはスキー場を登ると言う感じで、途中はかなり急な坂。こんな登りじゃ、苦しいだけで楽しくない、と切れるエンリック。ちなみに、彼は16kg、私は10kgのリュックで、初めての野営登山なので、この歳にして、かなりのチャレンジではある。そんな時に、普段は余り鳴らない携帯が鳴る。友人からだ。一方的に話してくる友人に、悪いけど、山登りをしていて急な坂を上ってるから、切らせてくれ、と切る。

ドン・ドゥ・ラティエ縦走Tour de la Dent de RatierというGRP


家族連れなどのグループとすれ違うたびに、登りは未だ続くのか、と聞いてみる。
GRPの標準ルートを逆回りしているため、反対から来る方が楽かも、と思うが長い下りも結構ハードではあると思う。

ラ・リュア LaRuaの集落


ラ・リュア LaRuaの集落
川が見えて、ラ・リュア LaRuaの集落。まずは噴水で、水の補給。流っぱなしと言うことは、井戸水ということ?とても冷たくて、おいしい水だ。

集落で気になったのは、南アルプスに見られるフュストと呼ばれるログハウス。下部は石垣のようになっている。

南アルプスに見られるフュストと呼ばれるログハウス 南アルプスに見られるフュストと呼ばれるログハウス

南アルプスに見られるフュストと呼ばれるログハウス

9:25にシャトー=ケイラを出発し、2時間過ぎでモリーヌMolinesに着く計画だったが、ヴィル=ヴィエイユの時点で既に一時間経過。ラ・リュアに隣接するモリーヌに着いたのは13:10。ここには小さな食料品店、加工肉屋、パン屋があるが、ちょうど13時から昼休みに入っていた。村の中央にある噴水の横で、ランチとする。小さな缶詰の鰯のタプナードをパンに塗って食べる。


シャトー=ケイラ - ヴィル=ヴィエイユ Château-Queyras - Ville-Vieille

標高 : 1 377 m
http://www.chateauvillevieille.com/

モリーヌ・オン・ケイラ Molines en queyras

標高 : 1 750 m
http://www.molinesenqueyras.com/
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